PRODUCTION NOTE

≪エマ・ロバーツ≫&≪デイヴ・フランコ≫
ネクストブレイク間違いなしの若手俳優2人

ジュリア・ロバーツの姪っ子
=≪エマ・ロバーツ≫
ジェームズ・フランコの弟
=≪デイヴ・フランコ≫
実力を発揮した本作。
七光りとは、もう言わせない!

冴えない文化系女子から危険なゲーム主催者と無責任なサポーターに鉄槌を下すタフな女の子に成長するヴィーを演じるエマ・ロバーツは、子役時代からコンスタントに活躍を続けているハリウッドの人気若手女優。父親は俳優エリック・ロバーツで、義姉と親しかった叔母ジュリア・ロバーツがエマを幼少期から撮影に同行したため、早くから女優を目指すことを決意したそう。10歳の時にオーディションを受けて合格し『ブロウ』でジョニー・デップ演じる麻薬王の娘役で女優デビューを飾った。
ローティーン時代はニコロデオンのTVシリーズ『アンファビュラス』で全然ステキじゃない中学生アディーを等身大の魅力で演じ、アイドル的人気を獲得。劇中では「やせすぎ」とディスられるが、どんなファッションも着こなすモデル体型はエマの強力な武器だ。
パパラッチに撮られる街角スナップではパリジェンヌのような普段着の着こなしに定評があり、10〜20代女性のファッションリーダー的存在となっている。女優としてはコメディからホラー、重厚な人間ドラマと幅広いジャンルに挑戦する上、『ミルク』でアカデミー賞脚本賞Ⓡを受賞したダスティン・ランス・ブラックの監督作『バージニア その町の秘密』やジア・コッポラ監督がジェームズ・フランコの小説を映画化した『パロアルト・ストーリー』、そのフランコの監督作『I Am Michael』といった実験的な映画にも積極的に出演することでも知られている。また大ヒットしたTVシリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー」のシーズン3、4に出演したことでここ数年の間に知名度が急上昇。クリエイターのライアン・マーフィーが手がけた新たなTVシリーズ『Scream Queens』の主演のひとりに抜擢されて人気を獲得した上、共演のリー・ミシェルやアビゲイル・ブレスリン、アリアナ・グランデとは公私にわたって友情を育んでいる。
そのエマと抜群の相性の良さを見せるのがゲームの囚人として生きながらも命がけでヴィーを救おうとするイアン(本名サム)役で新たに好漢イメージを確立したのがデイヴ・フランコだ。TVシリーズ「7th Heaven』の脇役で俳優デビューを飾ったときから“ジェームズ・フランコの弟”という色眼鏡で見られ、続いて出演した『スーパー・バッド/童貞ウォーズ』や『きみがくれた未来』、『フライトナイト/恐怖の夜』とすべて主人公にからむライバル役もしくは友人役でさほど印象に残らないまま、人気シットコム「SCRUBS~恋のお騒がせ病棟」第9シーズンで親の経済力で病院のインターンになるバカ息子役が好評だったが番組終了で忘れ去られたのが本当に気の毒だった。
それを一転させたのが日本未公開の『21ジャンプストリート』で、高校生麻薬ディーラーをコミカルに熱演したデイヴは、ハンサムだけど笑いも取れる二枚目半俳優というニッチな存在に‼(=恩返しのつもりか、続編にクレジット無しでカメオ出演しているのが義理堅くていい)!
その立ち位置は、『グランド・イリュージョン』にも踏襲され、一流のイリュージョニストのつもりだけど、実は少々力不足なチームの末っ子的なジャック役で映画ファンの間で知られるようになる。彼の持ち味である肩の力が抜けた感を生かした『ネイバーズ』では、ザック・エフロン演じるモラトリアム大学生の親友でありながらもちゃっかり将来設計は立てているピート役で場面をさらったかと思えば、ヴィンス・ヴォーン主演のコメディ『ビジネス・ウォーズ』では差別ネタ?と突っ込まれそうな怪演を披露。
コメディ俳優路線を邁進するかと思われた矢先の本作では、遊びで参加したゲームに人生を支配された青年として複雑な心理演技やアクション演技に挑戦し、新境地を開拓。兄同様に主役もこなせる存在感をアピールしていて、今後のさらなる成長が楽しみだ。

『パラノーマル・アクティビティ』の監督が再タッグ
『ハンガー・ゲーム』の生みの親であるハリウッドの凄腕プロデュ―サーも加わり、

新感覚のエンターテイメント・ムービーが誕生した!

監督のヘンリー・ジュースト&アリエル・シュルマンは、2010年のサンダンス映画祭で話題になったドキュメンタリー映画『Catfish』で注目された若手監督コンビ。日本未公開のこの映画はマンハッタンに住む写真家ニーヴ(Nev)(アリエル・シュルマンの弟)の元にミシガン州に住む8歳の少女が描いたという絵が届き、彼女とFacebookで友だちとなったことをきっかけにSNSにおける個人のアイデンティティーの幻想と別人格を作り出さざるをえない状況に置かれた人間の切なさを浮かび上がらせる展開だ。
インディーズ版『ソーシャル・ネットワーク』ともいえる本作は、Facebookが主張する実名主義がまやかしにすぎないと暴露したも同然で、映画のヒットにアイデアを得たMTVがネット上の成りすまし疑惑(キャットフィッシュ)がある人の正体を、ニーヴ(Nev)が暴いていくという同タイトルのTVシリーズを制作したほど。このドキュメンタリーのヒットでハリウッドに招かれたジュースト&シュルマンの監督コンビは、パラマウント映画で『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ第3弾と第4弾を制作。
当時、ほかにもワインスタイン・カンパニーとIMグロ―バルが共同制作するタイトル未定のスリラーとエドワード・アビーの人気小説「爆破—モンキーレンチギャング」のプリプロダクションを進めていた監督コンビに白羽の矢を立てたのが、ライオンズゲート映画でジーン・ライアンのYA小説「NERVE」の映画化を進めていたプロデューサーのアリソン・シェアマーだ。「ロサンゼルス・タイムズ」紙が2012年に〈今読むべきYA小説TOP10〉に挙げた「NERVE」がSNS界特有の匿名性に焦点を当てていたことから目利きのシェアマーがそれらの事情に精通した『Catfish』の監督コンビにオファーしたのは自然な流れだろう。
シェアマーはライオンズゲート社長として『ハンガー・ゲーム』シリーズをヒットさせた後に独立。以来、アリソン・シェアマー・プロダクションを率いて同シリーズや『シンデレラ』『高慢と偏見とゾンビ』をヒットさせている凄腕だ。年末公開の『ローグ・ワン:スター・ウォーズ・ストーリー』でもプロデューサーのひとりとして活躍し、レイ役のデイジー・リドリー主演でYA小説「心のナイフ混沌(カオス)の叫び」を映画化することも決定している。
脚本を担当したのは、ジェシカ・シャーザー。ニューヨーク大学で映画製作を学び、『ハピネス』でトッド・ソロンズ監督のインターンなどを務めた後に自ら脚本を手がけた『Speak』で監督デビュー。本作でアメリカ脚本家協会賞や監督協会賞を受賞したことで業界でも認知度を上げ、TVシリーズ「アメリカン・ホラー・ストーリー』の脚本家兼プロデューサーとして、2011年にブラム・ストーカー賞も受賞している。

エレクトロ・ダンス・ミュージックだけでなく
オールドスクールともいえる定番ラブソングからドゥワップ、
ヒップホップ、ラップまで、幅広いジャンルの音楽が楽しめる!

音楽監督ロブ・シモンセンはこれまで『サーフズ・アップ』や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』、『(500)日のサマー』、『マネーボール』、『アデライン、100年目の恋』、『フォックスキャッチャー』などに楽曲を提供した作曲家。本作は若者が夢中になっているオンライン・ゲームが重要な鍵となる青春スリラーなので、エレクトロ・ダンス・ミュージック(EDM)がメインとなるかと思いきや、大間違い。なんとEDMだけでなくオールドスクールともいえる定番ラブソングからドゥワップ、ヒップホップ、ラップまで幅広いジャンルの音楽をフィーチャー。
ヴィーとシドニーがFacetime中に流れるジェス・ケントのヒット曲「Get Down」を幕開けに、アメフトの試合撮影に向かうヴィーが自転車に乗りながら聞くマーの「Kamikaze」、ヴィーの最初の挑戦中に流れるザ・スカイライナーズのクラシックな名曲「シンス・アイ・ドント・ハブ・ユー」に続き、イアンがダイナーで歌うロイ・オービソンの「ユー・ガット・イット」でニコラス・スパークス風? と思わせた後は、ボーンズの「エレクトリック・ラブ」でトーン・チェンジ。下着姿のヴィーとイアンが高級百貨店バーグドルフ・グッドマンから抜け出そうとする際にはローウエルの「Ride」、そしてイアンのバイクで新たな挑戦に向かう二人の背中を押すのがハルジーの「Hurricane」。挑戦でタトゥーを入れるヴィーのためにイアンがかけるのがウータン・クランの「C.R.E.A.M」といった具合に、シチュエーションに併せた選曲が見事。
もちろんシモンセンも映画のためにオリジナル曲を多数作曲しており、なかでも刺激的なのが「New York F***ing City」。どこからともなく現れたタイがヴィーに渡すバンパー・ステッカーに描かれた文字をタイトルにしたハードコアなサウンドがただでさえスリリングなバイク・ライドをさらに盛り上げてくれる。
リアリティ番組「The Voice』出演をきっかけにデビューしたメラニー・マルティネスやアイオワ出身のバンド「ザ・ディプロマット・オブ・ソリッド・サウンド」、アルゼンチン人歌手テイ・セイといった日本ではマイナーなミュージシャンからウータン・クランや『博士と彼女のセオリー』でゴールデングローブ賞作曲賞を受賞したアイスランド人作曲家ヨハン・ヨハンソンといった、メジャーどころまで揃えたサントラは聞く価値アリ! 今どきティーンがダウンロードしそうな音楽だけでなく、キャラクターの心情やシチュエーションそれぞれにマッチした音楽で映画にさらなる深みを与えたシモンセン、いい仕事してます。

観客自身がゲーム「NERVE/ナーヴ」の視聴者となったかのような感覚を覚える、
独自のカメラワークが魅力的

監督コンビが撮影監督に選んだのは、マイケル・シモンズ。ラミン・バラヒ監督と組んだ短編映画『Man Push Cart』と『チョップショップ~クイーンズの少年』で2度、スピリットアワードの候補になった後、『パラノーマル・アクティビティ2』で商業映画に進出した新進気鋭の撮影監督マイケル・シモンズだ。
自然光や影、街灯やその反射を利用するのを好むシモンズだが、本作では今までと違うアプローチを披露。まずクリック&スワイプで次々に画面を変えていくインターネット世代の集中力スパンに合わせてカット割りを細かくし、さらには登場人物が使うパソコンやスマホの画面や映像はもちろん、パソコンの内側から使用者を映したようなユニークな映像を多用。
ゲームがスタートしてからは特にスマホ映像が増え、観客自身がゲーム「NERVE/ナーヴ」の視聴者となったかのような感覚を覚える仕組みになっている。印象的なのは挑戦者がスマホで撮影しているという設定の映像で、ハンドヘルド・カメラゆえの手ぶれ感は『パラノーマル・アクティビティ』以上にリアル。またヴィーが「挑戦者」となって物語が夜の場面に変わった後の映像は、ネオン感覚を強調した色調でドラマがサスペンスフルに盛り上がる。
そしてクライマックスとなる『グラディエーター』的決戦での陰影の付け方も見事に計算されていて、色彩設計ともどもシモンズの辣腕が光った。

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